「疾病管理ハンドブック」について
■ 「疾病管理ハンドブック」のご紹介
疾病管理ハンドブック 〜ディジーズマネージャーになるために〜
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著者:ルーファス・ハウ / 監訳:福井次矢 高原亮治
12月17日発売
定価:本体価格2300円+消費税
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疾病管理ハンドブック:動画でのご紹介
写真をクリックすると監訳者の解説を動画でご覧いただくことができます。
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監訳者:聖路加国際病院院長
福井 次矢
2分37秒
wmv形式
640×480
ダウンロード:9.36MB
監訳者:元厚生労働省健康局長
高原 亮冶
3分26秒
wmv形式
640×480
ダウンロード:9.42MB
監訳者:福井 次矢 メッセージ
日本語版の発行にあたって
ディジーズマネジメントというのは、クリニカルパスとは異なり、患者さんが退院後も、病院での治療と同じように最終的なアウトカム(成果)を最良のものとする可能性の高いケアをするために作り上げられた概念です。背景にあるのは、「根拠に基づいた医療」(EBM)です。
これは、単に病気の治療に限ったことではなく、患者さんの日常生活にまで配慮した考え方です。どれくらいの頻度で病院にかかったらよいか、どのくらいの頻度で検診を受けたらよいかといったことまで、細部にわたってケアプランを作ります。そして、ドクター(医師)以外にディジーズマネジャー(疾病管理者)という専門職をつくり、厳密に作成したケアプランに基づいて管理をしようというのです。
すでに、これまでの取り組みの中で、多くの病気、特に糖尿病などについては、ディジーズマネジャーがつくことによって、従来の治療に比べて血糖値コントロールの成績が明らかに改善されることがわかっています。このこと一つとっても、わが国で今後、このような考え方が広く受け入れられるようになれば、医療の質の向上と制度設計に非常に大きな影響を与えることになるでしょう。
何よりも、今までどちらかというとドクターが先導してきた「根拠に基づいた医療」という考え方を、医療にかかわる全ての職種の方が取り入れ、それに基づいてケアが行われるようになっていけば、ケアを受ける立場の方のみでなく全ての関係者にとって、非常に大きな意義を有することと思っています。
その意味で、本書がなんらかの形で、一石を投じることになれば幸いであると考えています。
福井 次矢
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監訳者:高原 亮治 メッセージ
日本語版の発行にあたって
みなさんご承知のように、最近、わが国の保健医療制度は大きく変わりつつあります。その一つが、特定保健指導という概念が中心になってきているということです。
特定保健指導というのは、一般に健診の事後指導のことだと考えられていますが、実はそうではありません。健診というのは、どのような保健指導をやればよいのかということを決めるためのシステムです。昔のように、健診結果から「異常」「正常」「経過観察」と判定して終わり、というような考え方は消え去りつつあります。もちろん、がんや結核などのように、健診の事後指導が有効な領域もたくさんあります。しかし、いま問題になっている生活習慣病の大きな領域を占めるメタボリックシンドロームについては、もはやそういう考え方では対処することはできません。
ところで、保健指導とは一体どういうものなのでしょうか。この領域で非常に方法論的に進んでいる米国で注目されているのが、ここで紹介しているディジーズマネジメントという考え方です。米国というのは“マネジメント”が大好きな国で、MBA(ビジネスマネジャー)などというものもあるほどです。そこで、病気や健康などについてもマネジメントの対象として、「その人が、その人らしく、健康に生きるために、どのようなマネジメントをすればよいのか」ということを、自分も考え、また、プロと一緒に考えていこうとしています。
ここで紹介している本にもありますように、これからは、“Shared decision making”、要するに、プロと一緒に、自分らしい生き方とはどういうことなのかを考えながら健康管理を進めていこうというのです。ここでいうプロというのは、保健師、医師、看護師などです。そういう新しい考え方、健康管理の方法についてもこの本では提唱されています。もちろん、タバコやアルコールなどの問題に取り組んでいるみなさんにとっても目新しい内容はあると思いますが、全体を通じて、米国での新しい医療の考え方を知ると同時に、それをどのようにわが国で生かすかということを、ぜひ考えていただきたいと思います。
高原 亮治
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疾病管理ハンドブック 愛読者カードから
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☆平成20年1月30日 青森の看護師さんから☆
現在、慢性心不全の方を対象に疾病管理プログラムを作成、実施しておりました。
作成にあたっては、欧米などの研究論文を参考にしておりましたが、
詳細は不明な点が多く、手探りの状態でありましたので、
今回の『疾病管理ハンドブック』は大変参考になりますし、大助かりです。
これからも、疾病管理に関する情報がありましたら、お知らせいただけたらと思っております。
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